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SDカードの適切な選び方:撮影を快適にする転送速度や容量の関係

2023,08/01

カメラで写真や動画を記録するためには必ずSDカードを差し込む必要があります。しかし、SDカードは何でもいいというわけではなくカメラの画素数や連射速度などによって最適なSDカードは変わってきます。

そこで今回は、SDカードの性能の読み方から具体的な画素数や連射速度等のカメラの性能から最適と思われるSDカードのレベル帯をご紹介します。

SDカードの運用を最適化したい人必見の内容です。

今回はマイクロSDカードは扱いません。

この記事で学べること
工藤瑛志
・SDカードの表示スペックの読み方

・写真撮影に最低限必要なスペック
・動画撮影に最低限必要なスペック

SDカードの適切な選び方:撮影を快適にする転送速度や容量の関係

SDカード選びにおいておおよそ判断基準となるのは以下の3つの要素です。

ココがポイント

・転送速度
・スピードクラス
・容量

写真と動画によって異なるものですが、一旦全て解説しますね。具体的にどんなカードがいいかについては写真と動画を個別に記していきます。

転送速度 : UHS-I UHS-II

SDカードの転送速度は写真撮影や動画撮影において重要な要素です。理由としては写真や動画の場合で異なります。

写真撮影の場合、高速な転送速度のSDカードを使用することで、カメラがより早く写真を保存できます。これにより、連続撮影時にシャッターを素早く押すことができ、瞬間の捉えることが可能です。

また、RAW形式で写真を撮影する場合、ファイルサイズが大きくなります。高速なSDカードはRAWファイルを高速に保存することができ、撮影時の待ち時間を減らしてくれます。

動画撮影の場合、高解像度や高フレームレートの動画を撮影する際には、大量のデータが発生します。高速なSDカードはこれらの大容量データを効率的に処理できるため、ストレスなくスムーズな動画撮影が可能です。

また、UHD/4Kまたは8Kのような高解像度の動画を撮影する場合、SDカードの転送速度が低いとデータが書き込み中に遅れる可能性があり、途中で撮影が止まってしまうことがあります。

右の画像に「I」や「II」の表記が見えると思います。これらはUHS-IとUHS-IIを意味し、SDカードの速度規格を示します。

それぞれ解説するとUHS-I=初期のUHS規格で、理論上の最大転送速度は104 MB/sUHS-II=より新しいUHS規格で、理論上の最大転送速度は312 MB/sとなっています。

UHS-IIでもカード記載の転送速度が312MB/秒より遅い理由
UHS-IIカードにおいて、"250MB/s"と書かれている場合、これはそのSDカードの最大転送速度を示しています。UHS-II規格の最大転送速度は理論的に312 MB/sですが、実際のカードの性能は異なる場合があります。

"250MB/s"と書かれているカードは、理論上の最大速度よりも若干低い速度で動作することを意味します。これは製造上の制約、実際のデータ処理、または他の要因によるものです。

使用するカメラやデバイスがUHS-IIの高速性能を活用できるかどうかをしっかり確認してください。

また、SDカードの裏面にも違いがあります。

スピードクラス : V60 V90

主に動画撮影する人にとっての基準となるUHSスピードクラス(1,3など)とスピードクラス(V30など)があります。

UHSスピードクラスは、SDカードの速度規格を示すものです。UHSは"Ultra High Speed"の略で、SDカードの高速データ転送に関連して使用されます。UHSスピードクラスは、カードの書き込み速度を示す数字として表されます。現在は、UHS Speed Class 1 (U1)とUHS Speed Class 3 (U3)が一般的に使用されています。

  • UHS Speed Class 1 (U1): 最低でも連続書き込み速度が10 MB/s保証されています。主に1080pのビデオ撮影に適しています。
  • UHS Speed Class 3 (U3): 最低でも連続書き込み速度が30 MB/s保証されています。4Kビデオ撮影など、高解像度の動画撮影に適しています。

スピードクラスはそのままVに続く数字が秒間の最低保証速度を表しています。

最低保証速度スピードクラスUHSスピードクラスビデオスピードクラス撮影可能フォーマット※1
90MB/秒V908K
60MB/秒V608K,4K
30MB/秒3V30(8K),4K,FHD,HD
10MB/秒101V10(4K),FHD,HD,SD
6MB/秒6V6FHD,HD,SD
4MB/秒4(FHD),HD,SD
2MB/秒2HD,SD
※1撮影可能フォーマットはあくまで目安であり、私の経験則から言うとLog撮影などの場合は4KでもV90では足りない場合があります。

ここでUHSスピードクラスとスピードクラスは何が違うのかという疑問が浮かぶ方もいると思いますが、上述したようにUHSはよりウルトラハイスピードの略であるため、文字通り、より高速の転送を行えるSDカードであるという意味です。

転送速度とスピードクラスの違いとは

ここまで説明を丁寧に読んでくださっている方の中で、じゃあ転送速度とスピードクラスは具体的に何が違うのか疑問に思った方もいると思うので解説しておきます。

結論から言うと、転送速度とスピードクラスは、SDカードの性能を示す異なる指標です。

  • 転送速度は、SDカードがデータを読み込む、または、書き込む速度を表します。一般的にはメガバイト(MB)またはギガバイト(GB)単位で表されます。例えば、「100 MB/s」と書かれたSDカードは、最大転送速度が1秒あたり100 MBのデータを読み書きできることを示します。転送速度は、SDカードの性能を測る際の重要な指標の一つであり、高速なデータ処理を行うために重要です。編集時のデータのやり取りにも影響します。
  • スピードクラスは、主に動画撮影に関連して使用されるSDカードの速度規格を示します。スピードクラスには、上記の表のようにクラス2(C2)からUHSスピードクラス3(U3)までのカテゴリーがあります。スピードクラスは、SDカードが最低保証する連続書き込み速度を表します。スピードクラスが重要な場面は高解像度の動画撮影時で、カードが十分な速度でデータを書き込むことができないと、映像の記録が途切れたり遅れたりする可能性があります。

要約すると、転送速度はSDカードの読み書き速度を示し、高速データ処理能力を示す指標です。一方、スピードクラスは主に動画撮影時の最低連続書き込み速度を示し、映像の安定した記録に関連しています。

容量 : SDHC SDXC

SDカードは実はその容量の大きさによって規格があります。

写真を見てもらえれば若干わかるかもしれませんが、表にすると以下のようになります。

-2GB4GB-32GB64GB-
SDSDHCSDXC

私がカメラをやる中で規格が対応していないので使えないという経験はないですが、SDHCという規格が2010年の登場らしいので、それ以前のカメラなどを使いたい方は注意が必要です。

なお、SDXCに対応している機種の場合は、すべての規格に対応しています

写真・動画撮影の環境に応じたおすすめSDカード

写真撮影

写真撮影のためのSDカードの選び方、最低限の必要条件としては以下の4つ程度です。

  • 転送速度100MB/秒以上
  • 容量16GB以上
  • 評価が高いメーカーを選ぶ
  • 互換性があるか
転送速度が100MB/秒以上必要な理由
高速な転送速度のSDカードを選ぶことで、カメラが写真を素早く保存することができます。書き込み速度がこれにより連続撮影時に逃すことなく瞬間を捉えることができます。

書き込み速度が遅い場合カメラがフリーズしたような状態になるためシャッターを押すことができなくなります。なので、昨今の高画素化やSDカードの価格低下などを考えると、最低でも100 MB/s以上の転送速度を持つカードを選ぶと良いでしょう。

容量16GB以上必要な理由
撮影する写真の枚数や写真の解像度に応じて、適切な容量のSDカードを選びましょう。容量が大きいほど、より多くの写真を保存できます。16 GB以上の容量を持つカードが推奨されますが、撮影の頻度やスタイルによってはこの容量ではこまめにデータの移行や削除が必要になるため、より大きな容量が必要になることもあります。

下記の表は写真一枚あたりおおよその目安の容量での撮影可能枚数です。1GB=1024MBで計算しています。

16GB32GB64GB128GB256GB
RAW写真
(2,000万画素)
819枚1,638枚3,276枚6,553枚13,107枚
RAW写真
(4,000万画素)
182枚364枚728枚1,456枚2,912枚
Jpeg写真
(2,000万画素)
2,730枚5,461枚10,922枚21,845枚43,690枚
Jpeg写真
(4,000万画素)
1,638枚3,276枚6,553枚13,107枚26,214枚
RAW:2000万画素/20MB、4000万画素/90MB Jpeg:2000万画素/6MB、4000万画素/10MB
評価が高いメーカーを選ぶ
SDカードはさまざまなメーカーが出品しています。その分データが破損する可能性などの品質に問題のあるSDカードもある可能性があります。せっかく撮影した写真のデータなので、実績のある信頼性の高いブランドのSDカードを選ぶことで、品質やデータの安全性が確保されます。保証など充実しているメーカーの製品を選ぶと、安心して撮影に集中することができます。
互換性があるか
念の為、カメラやデバイスとの互換性を確認してください。一部のカメラはUHS-IIカードをサポートしていないため、必要以上の高速カードを購入する必要がないこともあります。

この4つの中でも最も重要なのは書き込み速度です。価格の大小にも影響が一番あります。

選び方としてはあなたのカメラの画素数や連射を使う頻度から考えることができます。

Jpeg撮影で特に連射を多用しないと言う場合であれば、UHS-Iの転送速度が遅めの安価なSDカードでも十分です。

RAW撮影をする人、連射を多用する人であればUHS-Iでも転送速度が200MB/秒以上のSDカードかUHS-IIのSDカードが必須です。

動画撮影

動画撮影のためのSDカードの選び方、最低限の必要条件としては以下の4つ程度です。

  • 転送速度150MB/秒以上
  • ビデオスピードクラスV30(UHS SC3)以上
  • 容量64GB以上
  • 耐久性の高いカード
転送速度150MB/秒以上
高解像度の動画を撮影する場合、高速な転送速度のSDカードが必要です。4Kまたは8Kの動画を撮影する際には、最低でも100 MB/s以上の転送速度を持つカードが必要とも言われますが、私は余力があった方がいいと思うので、150MB/秒以上を選びましょう。転送速度が高速なカードはデータの書き込みや読み出しに時間をかけずに、滑らかな動画撮影を可能にします。
ビデオスピードクラスV30以上
動画撮影時にはスピードクラスの規格にも注意が必要です。UHS Speed Class 3(U3)は、最低でも連続書き込み速度が30 MB/sを保証しています。4Kなどの高解像度の動画を安定して撮影できます。
容量64GB以上
動画は写真よりも容量を必要とします。長時間の動画撮影を行う場合、十分な容量を持つSDカードを選ぶことが重要となるので、動画の解像度やビットレートに応じて適切な容量を選びましょう。なので最低限64 GB以上の容量を持つカードがおすすめです。なお、64GBの4K撮影だと3時間ほど録画できます。
耐久性の高いカード
動画撮影の場合はカード自体がかなり熱を持つ可能性があります。統一的に耐久性を示す値や規格は存在しないので難しいところではありますが、一部のメーカーは自社製品の耐久性を示すために、耐久テストや保証期間を提供することがあります。

これらの基準を考慮してすると4K以上の解像度での撮影を行う人はPrograde Gold以上。(FHDなどであれば上記のSanDisk等のカードでもOK)

4Kでもビットレートの高い(保存する情報量が多い)撮影をする人やLog撮影する人はPrograde Cobaltがおすすめです。

このクラスのSDカードだと編集時の読み出しなどでも時間がかかるので、それ専用のリーダーを用いると作業の待ち時間を最小化できます。

Progradeのステマかと思われるかもしれませんが、違うのでご安心を(笑)

保証制度や耐熱性に優れていると思っているのでおすすめしています。

ProGrade :Amazon

最後に伝えたいこと : SDカードはケチってはいけない

SDカードは記録さえできればいいやと思い、安価なものを買いがちですが場合によってはデータの破損、規格が非対応などトラブルが起こることもしばしばです。

一度投資として上位のSDカードを買ってしまえば、そのようなトラブルは発生しにくくはなると思うので、考えるのが面倒な方は評価の高いSDカード・UHS-II などの転送速度が速いものを買えばいいと思います。

以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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