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OVFとEVFの大きな違いと撮影時のメリット・デメリット|一眼レフ・ミラーレス一眼

2021,08/17

一眼レフやミラーレス一眼の情報に触れていくとOVFとEVFという言葉を聞くと思います。

それぞれ特性があり、また選ぶ際見るべき性能のポイントもあります。

そこで今回はOVF・EVFの違いやそれぞれが持つメリット・デメリットについて解説しつつ現在主流のEVFの性能のチェックポイントにも触れていきます。

カメラ選びに迷っている人から言葉の意味を知りたい人必見の内容です。

一眼カメラのOVFとEVFの大きな違い

そもそもVFとは

VFというのはビューファインダーで一眼カメラの上部にある、覗き窓のことです。

屋外の日差しが強く、液晶モニターが見にくいときに使ったりしますね。

動画機だとない場合が多いです。

OVFとは

OVFとは一眼レフカメラに装備されている光学ビューファインダーのことを指しています。ちなみに略称はOVF : Optical View Finderです。

レンズから入ってきた光をミラーで反射し、プリズム等を経由してファインダーで見る仕組みになっています。

プリズム

つまり、ほとんど実写と同じ映像をファインダーで見ているということになります。

ちなみに、一眼レフの''レフ''とは、レフレックス(光の反射)という意味であるため、ミラーによって光を反射していないミラーレス一眼は、ミラーレス一眼''レフ''とは言わないです。

EVFとは

EVFとはミラーレス一眼に装備されている電子ビューファインダーのことを指しています。略称はEVF : Electronic View Finderです。

こちらはOVFと異なり、レンズからの光を撮像素子にて受光し、背面液晶モニターと同様にモニターで見るファインダーとなっています。

最近の機種は有機ELのモニターが搭載されていることが多いです。

光学ビューファインダー(OVF)のメリット・デメリット

メリット

・遅延が発生しない
・被写体がクリアに見える

遅延が発生しない

遅延がないという部分で、オリンピック等のシビアな現場で一眼レフカメラが支持される理由です。

被写体がクリアに見える

ミラーレス機は既にブラックアウトフリーなファインダーもありますが、ハイエンド一眼にしかないので、まだ一眼レフがいいという方も中にはいるのではないでしょうか。

また、EVFの場合そのファインダーの画素数などの性能によって画が左右されますが、それがほぼありません。

デメリット

・露出やホワイトバランスをすぐ確認できない
・視差が発生することもある
・一眼レフの構造上、ボディーもレンズも小型化できない

露出やホワイトバランスをすぐ確認できない


これはOVFのデメリットと言うよりも、EVFのこの機能が便利で相対的にマイナスという意味ですが、光を反射させているだけなので、EVFのように完成写真をシミュレーションしながら撮影することはできません。

視差が発生することもある


視差=ファインダーとレンズの位置が異なることによって、ファインダーで見た構図と違って撮影される場合があります。

撮影に支障が出るほど気になるかといえば、そんなに影響はないので明確にデメリットと言えるかどうかは、人によります。

一眼レフの構造上、ボディーもレンズも小型化できない

これが一番のデメリットとも言えることですが、一眼レフカメラはミラーレス一眼に比べて、重くデカくなりがちです。それはプリズムがあったりすることなどの物理的な障害があり、コンパクト化には限界があります。

また、フランジバック(レンズ交換式のカメラにおいて、レンズマウントのマウント面から、フィルムもしくは撮像素子までの距離のこと)がミラーレス一眼より長くなるのでレンズも大型です。

電子ビューファインダー(EVF)のメリット・デメリット

メリット

・露出やホワイトバランスを随時確認できる
・ファインダーで背面液晶と同じ機能が使える

露出やホワイトバランスを随時確認できる

EVFは映像なので、露出やホワイトバランスなど色味などを適用した状態のものを表示してくれます。

屋外で背面モニターがよく見えない時、ファインダーでも背面モニターと同じような使い方ができるのはとても便利です。

ファインダーで背面液晶と同じ機能が使える

カメラの電子ズームボタンを押して、ファインダーで何倍も拡大した映像を確認できます。

この他にもヒストグラムを表示したりと自己流に表示するメニューをカスタマイズできます。また、自分の好みに合わせて、明るさも設定で変更できます。

参考に以下の動画でのファインダーの映像をご覧になってみてください。

デメリット

・まれに遅延が発生する
・ファインダーの性能に撮影の快適度が依存する
・人によっては目が疲れる(らしい)

まれに遅延する

モニターなので、処理に時間がかかるとフリーズしたりします。オリンピック等のシビアなコンマ何秒を争う世界の写真を撮るのにフリーズされたら困りますね。

最近ではブラックアウトフリーの機種もありますが、基本的にハイエンドのカメラになるので出費が増えます。

普段使いする分には遅延を体感する機会はほぼないと思うので、そこまで気にする必要はないことを断っておきます。

ファインダーの性能に撮影の快適度が依存する

すべてこの言葉に集約されてしまうのですが、フレームレート・画質等すべてがそのカメラに搭載されたEVF性能に依存するため、自分が満足できるものかどうか実際に確認して試写してみることが重要です。

機能が足りないなどありうるので、カメラ購入のチェックポイントの一つにしておきましょう。

人によっては目が疲れる

モニターと目がかなり接近するため目が疲れるという感想を抱く人もいるみたいです。

EVFの性能チェックポイント

カメラメーカーの公式サイトの仕様という欄から大まかなスペックを確認することができます。

おおよそどのメーカーもこんな感じの表になっています。

型式OLEDカラー電子ビューファインダー
画面サイズ0.5型
ドット数約576万ドット
倍率約0.76倍(50mmレンズ・∞、−1m−1
視野率約100%(記録画質L、アスペクト3:2、アイポイント約23mm時)
アイポイント約23mm(−1m−1時/接眼レンズ最後尾から)
視度調整約−4.0~+2.0m−1(dpt.)
引用:Canon EOS R3 仕様

そこから見るべき項目としては、主に3つあります。

  • 画面サイズ
  • ドット数
  • 倍率

画面サイズ

画面サイズはそのままの意味で、どれだけ大きなファインダーかを示しています。これが大きほどより大画面のファインダーで非常に見やすいです。

ドット数

ドット数はいわゆる解像度で、これが荒いと電子的にアップにした際など粗くてピントが合わせにくいです。

エントリーモデルのミラーレス機であれば、200万から300万ドット。中上位機種であれば、300万から500万ドットのファインダーを搭載していることが多いです。

ちなみにトップレベルだとSonyのα1の約944万ドットになります。

倍率

倍率というと少しわかりにくいですが、50mmのレンズを装着した状態(肉眼が焦点距離50mm程度と言われている)で、ファインダー内の映像サイズが肉眼と比べてどの程度の割合になるかを示した値です。

倍率が1倍(等倍)に近いほど肉眼との差が少ないので見やすいメリットがありますが、これは個人の好みになると思うので実機で確認してみることをお勧めします。

ちなみに基本的に型式という部分はどのカメラもOLED(有機EL)です。

    最後に伝えたいこと:今買うならミラーレス一択

    オリンピック等の世界では、まだ一眼レフが使われているという話をしましたが、普段使いレベルならミラーレス一眼カメラの方が性能や将来性の観点から総合的にメリットが多いです。

    今何を購入しようかと迷われている方はミラーレス一眼から検討するといいでしょう。

    以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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