ZOOM社から出ているハンディレコーダーのH6とH8は発売年こそ違えど、性能に大きな差があるわけではありません。
そこで今回は、スペックを比較し具体的にどんなところに違いがあるのか比較します。
値段に差がないハンディレコーダーとして外径以外の違いを調べるのが面倒な人必見の内容です。
ZOOM H6とH8にはどんな違いがあるのか調べてみた
主に変化があった内容は以下の通りです。微々たる差の方が多い結果でした。
- SDカード容量
- コンバジャック数
- 最大同時トラック記録数
- モニター
- USBタイプ
- バッテリー持ち
- 重量
- サイズ
比較を表にしていますが、黄色のアンダーラインが数字上優れているポイント、赤のアンダーラインが劣っているポイントです。黄色のアンダーラインのみの箇所は人によって優劣の感じ方が異なる場所なので、あなたの使用環境で判断してくださいね。
写真は公式サイトからお借りしています。
参考価格
使用可能記録メディア
- 使用可能なSDカード容量に差があり
SDカード | |
H6 | SD/SDHC/SDXC (2GB-1TB) |
H8 | SD/SDHC/SDXC (2GB-512GB) |
SDXCまでは使えるものの、使用可能な容量に差があります。
SD「HC」、SD「XC」の括弧の部分は容量の大きさを示しています。
ちなみに、購入される際はSDカードは付属されていないのでご注意ください。
インプット
- コンボジャックの数の違い
INPUT 1-4 | INPUT A、B | ファンタ電源 | |
H6 | XLR/TRS コンボジャック (XLR:2 番ホット / TRS:TIP ホット) | - | +12/+24/+48V INPUT1 ~4個別にON/OFF |
H8 | XLR ジャック (2 番HOT) | XLR/TRS コンボジャック (XLR:2 番ホット TRS:TIPホット) | +24 V/+48 V INPUT1 ~ 4、A、B 個別にON/OFF |
ジャックの数自体はH8の方が多いですが、TRSジャックはH6の方が数が多いです。
どの用途に使うかですが、ご自身の環境によってこの辺りは判断の中心になりそうな要素です。
アウトプット
- 進化なし
LINE OUT | PHONE OUT | 内蔵スピーカー | |
H6 | 1/8"ステレオミニジャック | 1/8"ステレオミニジャック | 400 mW 8 Ωモノラルスピーカー |
H8 | 3.5 mm ステレオミニ | 3.5 mm ステレオミニ | 400 mW 8 Ωモノラルスピーカー |
名称は異なりますが、1/8"ステレオミニジャック=3.5 mm ステレオミニジャックです。つまり、変化なしです。
レコーディングフォーマット
- 大きな差はなし
WAV(周波数/bit) | MP3 | |
H6 | 44.1/48/96kHz | - |
16/24bit | 48〜320kbps | |
H8 | 44.1/48/96 kHz | - |
16/24-bit | 128、192、320 kbps |
数値上の変化は見られません。「、」と「〜」の違いが音にどのように影響するかは未知数ですが・・・
最大同時トラック記録数 | |
H6 | WAV : 8 (6トラック+バックアップ録音時) |
MP3 : 2 | |
H8 | WAV : 12(MIC IN、バックアップ録音、1-4、A、B、LR) |
MP3 : 12(MIC IN、バックアップ録音、1-4、A、B、LR) |
トラックは圧倒的にH8の方が多くなっていますね。
ディスプレイ
- モニターサイズ
- タッチスクリーンの有無
形式 | ピクセル数 | |
H6 | 2.0インチ フルカラ—LCD | 320 x 240 |
H8 | 2.4インチ フルカラ—LCD、タッチスクリーン | 320 × 240 |
ディスプレイは年数の差分だけH8は、タッチスクリーンなどが追加されて使いやすさが向上しています。
ただし、インチ数が上がっているのに、ピクセル数に変化がないということは解像度が落ちているのではないかと思います。目視では気にならないレベルだと思いますが。
USB
- miniBかMicroBか
タイプ | |
H6 | USB miniB |
H8 | USB Micro-B |
USB TypeCの時代にMicro-B(左画像)でも使い分けが億劫なところ、2020年に新たに追加されたH6 Blackに至っては続投でminiB(右画像)という始末。
USBを使わない方なら問題ないですが、H6は公式でUSB バスパワー(ポートからの給電)を謳っているなら、マイナーチェンジでも変えるべきところだとは思います。
電源/電池
- 電源供給方法は単3電池で変化なし
電源供給 | |
H6 | 単3電池 × 4 本 |
H8 | 単3電池 × 4 本 |
バッテリーはどちらも単三電池。H6はともかくH8は2020年に発売しているのに、リチュウムイオンバッテリーではないのは業界の暗黙のルールなのでしょうか?不便!
バッテリー持ち
- 10時間以上の差
時間/設定 | |
H6 | 20時間以上 (アルカリ電池使用、16bit/44.1kHz WAVフォーマット録音時) |
H8 | 約10時間 {XY マイク使用、44.1 kHz/24-bit( ステレオ x1)} |
スクリーンの大型化、測定時のビットレートの差がでているのかかなり録音可能時間に倍以上の開きがでています。
本当にこの測定値通りならフィールドレコーディングなど屋外での一日の使用を考えている人は悩むレベルの差ですね。
重量
- 重量は74g差
本体 | 付属マイク | |
H6 | 280g | XYH-6 : 130g |
H8 | 354 g | XYH-6:130 g |
筐体のサイズの差が重さに直接影響しているようです。
付属のマイクは同一製品なので同等です。
サイズ
- H8がH6よりも一回り大きい
本体 | 付属マイク | |
H6 | 77.8mm (W) x 152.8mm (D) x 47.8mm (H) | 78.9mm (W) x 60.2mm (D) x 45.2mm (H) |
H8 | 116.4 mm(W) × 163.3 mm(D) × 48.6 mm(H) | 78.9 mm(W) × 60.2 mm(D) × 45.2 mm(H) |
ジャック数を増やすために長方形から八角形に変化したこと、モニターの大型化などによって重量だけでなく、サイズも大型化しています。
注意ポイント
両者に付属するXYH-6マイクのゲイン(音量)調整のつまみがすぐ近くなので、調整時に録音しているとノイズが入る可能性があります。
別売りの遠隔操作用のBTA-1という機材を購入するといいでしょう。
最後に伝えたいこと : 今買うならフロート録音付きか
長々と比較してきましが、現在では32bitフロートのようなゲイン調整不要の録音機材も登場しています。
ZOOMでもM4やF3などあるので、こちらも検討されると良いでしょう。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!