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EOS R6・R6 Mark II比較|差額分の価値や進化があるのか

2023,05/20

R6の発売から2年程度で発売されたCanon EOSR6 Mark II。私自身R6を所有している身としてどれくらい進化しているのか気になるところ。特に価格差が2023年5月時点の新品売価で89,100円なので尚のこと。

そこで今回は、それぞれのスペックを比較して個人的にそれぞれどんな人におすすめか私の意見をお伝えします。

R6を買うべきか、R6 Mark IIを買うべきか迷っている人必見の内容です。

この記事で学べること
工藤瑛志
・R6とR6 Mark IIのスペックの違い
・ダイナミックレンジの進化具合
・R6 を選ぶべき人
・R6 Mark IIを選ぶべき人

EOS R6・R6 Mark II比較|差額分の価値や進化があるのか

とりあえずそれぞれ重要な性能の概要について比較していきましょう。重要だと思う箇所と変化した箇所のみ抜粋しています。

  • 有効画素が変化
  • 記録画像タイプが追加
  • レンズ光学補正にフォーカスブリージング補正が追加
  • 自動選択時AFエリア分割数(動画時)が変化
  • AFエリアに大きな変更
  • 電子シャッター設定時のシャッタースピード上限の向上
  • 動画自動露出時のシャッタースピード上限の向上
  • 高速連続撮影+選択時の電子シャッター40コマ/secが追加
  • ハイフレームレート撮影に180fps追加
  • マルチアクセサリーシューの追加
  • バッテリー持ちの大幅向上
  • バッテリー残量表示が6段階に変更
  • 筐体は大きくなったものの、重量は軽量化

比較を表にしていますが、黄色のアンダーラインが数字上優れているポイント、赤のアンダーラインが劣っているポイントです。両方とも黄色のアンダーラインの箇所は人によって優劣の感じ方が異なる場所なので、あなたの価値観で判断してくださいね。

外観比較:大きさ・質量

  • 筐体は大きくなったものの、重量は軽量化
R6R6 Mark II
大きさ約138.4(幅)×97.5(高さ)×88.4(奥行)mm約138.4(幅)×98.4(高さ)×88.4(奥行)mm
質量約680g(バッテリー、カードを含む)
約598g(本体のみ)
約670g(バッテリー、カード1を含む)
約588g(本体のみ)
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

大きな変化とはいえないものの、高さが増しつつも質量は軽量化されている。また電源ボタンの形状は変更され、ホットシューも改良されている。

ただ、重量バランス(レンズ装着時の重心)がどこにくるかによっても、疲れ具合などが変わるため数字上のスペックだけだとあまり比較にならない点に注意が必要です。

撮像素子

  • 有効画素が変化
R6R6 Mark II
CMOSセンサーフルサイズCMOSセンサーフルサイズCMOSセンサー
画面サイズ約35.9×23.9mm約36.0×24.0mm
カメラ部有効画素最大約2010万画素最大約2420万画素
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

目に見えて違う点は、有効画素数ですね。

R6では物足りないという声もあったので、R6とEOSR(3030万画素)の中間程度の画素数になりましたね。データの大きさとしても扱いやすく、高感度耐性を残して、プリント等でも丁度いい画素数と言えるのではないでしょうか。

画面サイズというのセンサーの大きさです。フルサイズなので、基本的に同じ大きさですが、カメラによって微妙に異なってくるので、あまり気にする点ではないと思います。

ダイナミックレンジの違い

公式のデータではないですが、Photons To Photosというサイトがセンサーの性能について比較したデータを公開しています。

私の読み方が間違っていなければ、このグラフは上下の幅と左右の幅がそれぞれ広いほど優秀なセンサーであるということを示しています。

R6が黒、R6 Mark IIが青ですが、性能は向上していますね。

現状だとCanonの中では最高峰の性能である、R3と比較するとこんな感じ。

結構R3ともいい勝負じゃないですかね。

体感でどれほど実感できるかは未知数ですが、少なくとも技術面では確実に進化している点はすごいですね。

記録形式・撮影時画像処理

  • 記録画像タイプが追加
  • レンズ光学補正にフォーカスブリージング補正が追加
R6R6 Mark II
記録画像タイプ静止画:JPEG、HEIF、RAW、C-RAW

動画:IPB、ALL-I
静止画:JPEG、HEIF、RAW、C-RAW、DPRAW、RAWバースト

動画:ALL-I、IPB(標準)、IPB(軽量)
レンズ光学補正周辺光量補正、歪曲収差補正、デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正周辺光量補正、歪曲収差補正、フォーカスブリージング補正、デジタルレンズオプティマイザ、色収差補正、回折補正
カメラ部有効画素最大約2010万画素最大約2420万画素
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

DPRAW、RAWバーストが追加されていますね。DPRAWとは以下のような機能です。

DPRAW機能を設定して撮影されたRAW画像に[デュアルピクセルRAWオプティマイザ]を適用すると、解像感の微調整、撮影視点の微調整、ゴーストの低減を行うことができます。なお、DPRAW機能の詳細や注意事項については、DPRAW機能搭載カメラの使用説明書を参照してください。

Canon デュアルピクセルRAWオプティマイザ

RAWバーストとは以下のような機能です。

RAW画像を高速で連続撮影することができます。撮影した画像から(一瞬のシャッターチャンスを捉えた)ベストショットを選びたいときに有効です。撮影した画像は、1まとまりのファイル(ロール)として記録されます。

ロールから任意の画像を切り出して、保存することができます。

Canon RAWバーストモード

こんなこと言ったら怒られそうですが、あまり使う機能ではないと思うので、重要視する必要はなさそうです。

フォーカスブリージングとは、ピントを合わせる際に見かけ上の焦点距離が変化したように見える現象です。

R6 Mark IIは動画撮影時のフォーカスブリージングを補正する機能を搭載したようです。これは人によっては結構刺さる機能ですね。フォーカスブリージングを抑えようとすると色々苦労するようなので...

ファインダー

R6R6 Mark II
型式OLEDカラー電子ビューファインダーOLEDカラー電子ビューファインダー
画面サイズ0.5型0.5型
ドット数約369万ドット約369万ドット
視野率約100%(記録画質L、アスペクト3:2、アイポイント約23mm時)約100%(記録画質L、アスペクト比3:2、アイポイント約23mm時)
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

ファインダーには変化は見られませんでした。

オートフォーカス

  • 自動選択時AFエリア分割数(動画時)が変化
  • AFエリアに大きな変更
R6R6 Mark II
フォーカス方式デュアルピクセルCMOS AFデュアルピクセルCMOS AF
自動選択時AFエリア分割数測距エリア:横:約100%、縦:約100%
[静止画]最大1053分割(39×27)、[動画]最大819分割(39×21)
測距エリア:横:約100%、縦:約100%
[静止画]最大1053分割(39×27)、[動画]最大1053分割(39×27)
AFフレーム選択可能ポジション
※AF性能を示す値ではない
測距エリア:横:約90%、縦:約100%
ポジション数:[静止画]最大6072ポジション(92×66)
[動画]最大4968ポジション(92×54)
測距エリア:横:約90%、縦:約100%
ポジション数:[静止画]最大4897ポジション(83×59)
[動画]最大4067ポジション(83×49)
測距輝度範囲
(静止画撮影時)
EV‒6.5~20(F1.2 レンズ使用時・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO100)※DS(Defocus Smoothing)コーティングを採用したRFレンズを除くEV-6.5~21 (F1.2 レンズ・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO100使用時)※DS(Defocus Smoothing)コーティングを採用したRFレンズを除く
測距輝度範囲
(動画撮影時)
EV‒5~20
(F1.2レンズ使用時・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO100・29.97fps)※DS(Defocus Smoothing)コーティングを採用したRFレンズを除く
4K:EV-4.0~21
フルHD:EV-4.5~21
(F1.2 レンズ・中央測距点・ワンショットAF・常温・ISO100・29.97fps/25.00fps時)※DS(Defocus Smoothing)コーティングを採用したRFレンズを除く
AFエリア顔+追尾優先AF、スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、ゾーンAF、ラージゾーンAF(縦)、ラージゾーンAF(横)スポット1点AF、1点AF、領域拡大AF(上下左右)、領域拡大AF(周囲)、全域AFフレキシブルゾーンAF(AF1、AF2、AF3)
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

直ちに優劣が測れるものかどうかは不明ですが、測距輝度範囲などを考えると案外動画性能では、R6もR6 Mark IIと大差なく、むしろ優っている部分もあるのではないかと素人目で感じる内容でした。

AFフレーム選択可能ポジションの但し書きで、AF性能を示す値ではないとわざわざ書いてあるくらいですので、この辺は難しい技術的な内容になりそうなので、あまり触れないようにしておきます。

AFエリアの方式に関してはかなり違いがありますね。

シャッター

  • 電子シャッター設定時のシャッタースピード上限の向上
  • 動画自動露出時のシャッタースピード上限の向上
R6R6 Mark II
シャッター方式メカシャッター、電子先幕、電子シャッターメカシャッター、電子先幕、電子シャッター
シャッタースピード[静止画撮影]
メカシャッター/電子先幕設定時:1/8000~30秒、バルブ
電子シャッター設定時:1/8000~0.5秒

[動画撮影]
動画自動露出:1/4000~1/25秒
動画マニュアル露出:1/4000~1/8
[静止画撮影]
メカシャッター/電子先幕設定時:1/8000~30秒、バルブ
電子シャッター設定時:1/16000秒、1/8000~30秒、バルブ

[動画撮影]
動画自動露出:1/8000~1/25秒
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

※表を見やすくすため一部補足情報を省いています。

シャッタースピードの上限がここまで必要な方がどれほどいらっしゃるかわかりませんが、グローバルシャッターでない限り高速で移動する被写体に生じる歪みはシャッタースピードを上げる必要があるので、この点を考えるといいのかもしれませんね。

ドライブ:連続撮影

  • 高速連続撮影+選択時の電子シャッター40コマ/secが追加
R6R6 Mark II
ドライブモード1枚撮影、高速連続撮影+、高速連続撮影、低速連続撮影、セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン1枚撮影、高速連続撮影+、高速連続撮影、低速連続撮影、セルフタイマー:10秒/リモコン、セルフタイマー:2秒/リモコン、セルフタイマー:連続撮影
連続撮影速度高速連続撮影+ :最高約12コマ/秒 (メカシャッター/電子先幕)

高速連続撮影:最高約8.0コマ/秒(電子先幕設定時)

低速連続撮影:最高約3.0コマ/秒(メカシャッター/電子先幕)

電子シャッター:最高約20コマ/秒 
高速連続撮影+ :最高約12コマ/秒 (メカシャッター/電子先幕)、最高約40コマ/秒 (電子シャッター)

高速連続撮影:最高約5.5コマ/秒(メカシャッター)、最高約7.0コマ/秒(電子先幕)、最高約20コマ/秒(電子シャッター)

低速連続撮影:最高約3.0コマ/秒(メカシャッター/電子先幕)、最高約5.0コマ/秒(電子シャッター)
連続撮影可能枚数
( )内の数値は、Cano試験基準UHS-II対応SDカード使用時の枚数
JPEGラージ/ファイン:約1000枚以上(約1000枚以上)
HEIF:約770枚(約1000枚以上)
RAW:約110枚(約240枚)
RAW+JPEGラージ/ファイン:約91枚(約160枚)
RAW+HEIF:約92枚(約140枚)
[メカシャッター/電子先幕]
JPEGラージ:約540枚(1000枚以上)
HEIFラージ :約470枚(1000枚以上)
RAW :約85枚(110枚)
RAW+JPEGラージ※1:約85枚(約110枚)
RAW+HEIFラージ※2:約85枚(約95枚)

[電子シャッター]
JPEGラージ:約190枚(約190枚)
HEIFラージ:約180枚(約180枚)
RAW:約74枚(約75枚)
RAW+JPEGラージ:約73枚(約75枚)
RAW+HEIFラージ:約70枚(約73枚)
高速表示高速連続撮影時に可能高速連続撮影かつメカシャッター/電子先幕設定時に、撮影結果とライブビュー映像を交互に表示する「高速表示」が設定可能
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

高速連続撮影+選択時の電子シャッター40コマ/secが追加されたのは動きものを撮影している人にとっては嬉しいかもしれませんね。

連続撮影可能枚数がR6 Mark IIはR6に劣っていますが、これはSDカード(UHS-I対応 32GB)を使用し、Canon試験基準(ワンショットAF、高速連続撮影+、ISO100、ピクチャースタイル:スタンダード)で測定している状態です。

つまり、画素数が400画素ほど向上していて、一枚あたりの容量が大きくなっているのでしょう。

動画記録

  • ハイフレームレート撮影に180fps追加
  • マルチアクセサリーシューの追加
R6R6 Mark II
ドロップフレーム119.88fps/59.94fps/29.97fps対応179.82fps/119.88fps/59.94fps/29.97fps対応
録音ステレオマイク内蔵、外部ステレオマイク端子装備ステレオマイク内蔵、外部ステレオマイク(マルチアクセサリーシューまたはΦ3.5mmステレオミニジャック)
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

ビットレートに関しては情報過多になるかと思い省きましたが、大きな変化はありませんでした。

ハイフレームレート撮影はどちらの機種もフルHDのみでタイムラプスとノーマル撮影は4Kにも対応しています。ですが、R6 Mark IIはフレームレートの上限が上がっています。

また、ホットシューもマルチアクセサリー対応で、以下のようなマイクをそのままガッチャンコできるような仕様になりました。

電源関連

  • バッテリー持ちの大幅向上
  • バッテリー残量表示が6段階に変更
R6R6 Mark II
撮影可能枚数の目安
常温(+23℃)、フル充電のバッテリーパックLP-E6NH使用時
ファインダー[なめらかさ優先]設定時
約250枚(ファインダー撮影時)
約360枚(モニター撮影時)

約590枚(エコモード/ファインダー撮影時)

ファインダー[省電力優先]設定時
約380枚(ファインダー撮影時)
約510枚(モニター撮影時)

約730枚(エコモード/モニター撮影時)
ファインダー[なめらかさ優先]設定時
約320枚(ファインダー撮影時)
約580枚(モニター撮影時)


ファインダー[省電力優先]設定時
約450枚(ファインダー撮影時)
約760枚(モニター撮影時)
動画撮影可能時間4K:約1時間20分4K/IPB(標準)59.94/50.00fps:約1時間20分
フルHD/IPB(標準)29.97/25.00fps:約3時間50分
バッテリー情報バッテリー残容量:1%単位、マーク 5段階
撮影回数:対応
劣化度:3段階
電池の登録:可能(最大6個)
電池情報:シリアル番号、取り出し時の電池残量、日付
バッテリー残容量:1%単位、マーク6段階
撮影回数:対応
劣化度:3段階
電池の登録(最大6個)
電池情報:シリアル番号/取り出し時の電池残量/日付
引用:R6仕様R6 Mark II仕様

バッテリーの持ちが明らかに改善されている点は、すごく良いポイントですね。

全体的に1.2倍〜1.7倍程度まで、撮影可能枚数が増えているので、今までの撮影でバッテリーが一日持たなかった人は、検討してもいいのではないでしょうか。

その他

動作環境はどちらも差がなく、使用可能温度0℃~+40℃、使用可能湿度85%以下でした。

モニターも変化なく型式:TFT式カラー液晶モニター

画面サイズ:3.0型(画面比率3:2)

ドット数:約162万ドット

視野:角上下/左右ともに約170°

視野率:上下/左右とも約100%(記録画質L、アスペクト3:2)

モニターの明るさ:7段階に調整可能

色調調整:暖色/標準/寒色1/寒色2

タッチパネル仕様:静電容量方式となっています。

価格損益比較

R6R6 Mark II
新品価格¥267,300(税込)¥356,400(税込)
買取見積(上限金額)¥133,000(税込)¥277,000(税込)
差額-134,000-79,400
2023年5月時点のマップカメラ価格

R6を買うべきかR6 Mark IIを買うべきか、どっちが良いか

現時点でR6を新品で購入した場合約27万円。R6 Mark IIは約36万円。そしてR6は登場してすでに2年経過しており、ファームウェアアップデートをされないことを考えると、ボディーの価値は相対的に減損していきます。

売ることを考えない場合は、スペックの差で差額分の価値を感じないのならば、元手が少なく済むR6を購入すればいいかなと思います。

しかし、これからカメラを長くやろうと考えている人(2年以上)は長期的な目線で見ると、買い替えのタイミングなどで売却を考えると最終的な損益はR6 Mark IIの方が少なくなるかなと感じるのでR6 Mark IIかなと思います。

もちろん、これからR6 Mark IIの買取価格も落ちていくので、一概にはいえないですが。

R6はこんな人におすすめ
・エントリーモデルからの買い替えでレンズも買わなきゃいけない人
・風景や人物などあまり動かない被写体を撮る人
・写真の発表の場がSNS(プリントしてもA3ノビ程度)で完結する人

R6 Mark IIはこんな人におすすめ
・フルサイズ機からの乗り換えの人
・フルサイズ用のEF/RFレンズ資産がある人
・動物や乗り物を撮る人
・大きな写真のプリントもする人

最後に伝えたいこと : 差分にどこまで価値を感じるか

色々比較してきましたが、一番体感としてわかりやすい差はバッテリーの持ちだと思います。もちろんセンサーの性能も向上しているので、分かる人には分かる違いかもしれませんが、あくまで両方を持って比較できる人だと思います。

以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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