背面液晶の動き方にチルト・バリアングル・固定がありますが、それぞれがどんなメリット・デメリットがあるのか実際に使ってみないと分かりにくいと思います。
そこで今回は、液晶の動き方が撮影の快適さにどう影響するのか、実体験を元に解説します。
バリアングル液晶・チルト液晶の動き方の解説
それぞれ液晶の可動方式について解説しておきます。
バリアングル液晶とは
バリアングル液晶は横向き方向に開く動作、縦方向に回転する4つの矢印の動きがある可動方式です。
チルト液晶とは
チルト液晶は基本的に上下方向にモニターを出すことができる可動方式です。
多くのチルト機は縦方向のみの動きですが、軸数が増えたカメラ、3軸または4軸チルト式であれば縦位置も可能です。
バリアングルとチルトの組み合わせ
LumixのS1Hというカメラは、バリアングルとチルトを組み合わせたチルトフリーアングル構造を採用しています。
バリアングル液晶・チルト液晶、それぞれ適した撮影スタイルは?
バリアングルのメリット・デメリット
メリット
・角度が自由に調節可能
・収納時に液晶を裏側にできる
角度がチルト液晶に比べて自由です。しゃがんで撮影したい時、自撮りしたいとき、さまざまな角度にできる分、しっかり画角を確認しながら写真・動画を撮影することが可能です。
また、状況にもよりますが、撮った写真をすぐ相手に見てもらいたい時などひっくり返して見せられます。
収納時裏側にできるというのは運搬時に非常に便利だと思います。多くの人がモニターに保護ガラスを貼ると思いますが、それでも傷がつくのは嫌ですよね。
バリアングル液晶であれば、一回転させて裏面にできるので、カメラ専用のリュックなどの区画分けされていない入れ物に入れる時には心的に安心できます。
デメリット
・展開に時間がかかる
・展開した状態での移動は注意が必要
・カメラによってはバリアングル展開時にファインダーが使えない
バリアングル液晶は展開に2ステップ必要になります。慣れれば大したことないですが、素早く撮影したい時などには少し煩わしい時もあります。
また、液晶を展開した状態で三脚に乗せた状態で移動する時などは力が加わる方向によっては液晶が根本からもげる可能性もあるので、逐一畳んで運搬する必要があります。
ミラーレス一眼カメラの場合、機種によりますがバリアングル液晶を展開している場合、ファインダー(EVF)がずっとブラックアウトした状態になります。
バリアングル液晶モニターを搭載したカメラの適した撮影スタイルについて
- 被写体を問わず何でも撮影する人
- 自撮りをする人
- 動画を撮る・撮ろうと考えている人
写真も動画も撮影したい人はバリアングルのカメラを買っておくのが可能性を残すという意味で無難かと思います。
チルトの機能上のメリット・デメリット
メリット
・モニターを素早く展開できる
チルトの場合、ワンアクションでモニター角度を調整できます。
素早く撮影したいけどモニターは確認したい画角の時、手持ち撮影の際にモニターが左手に干渉しそうなのが嫌だという方にはおすすめです。
デメリット
・角度調整に限界がある
・ジンバルには乗せにくい
バリアングル方式を採用しているカメラの可動角度は基本的にどのメーカーも大差ありません。
しかしチルトの場合は下方向は少しだけ、上方向はしっかり動く場合などモニター角度に制限があるので、自分の欲しいカメラがチルト液晶モニターの場合は可動角度を実機で確認して許容範囲かどうか知っておく必要があります。
チルトで画面を展開したときジンバルが干渉する可能性があります。そのため、バリアングルで画面を横に出さないとジンバルは使えません。
もちろん外部モニターを使ったりする人には関係ない話ですが、画像のようにカメラ単体にジンバルの組み合わせで動画撮影する人はペイロードだけでなく、アーム部分が干渉しないか気にする必要があります。
チルト液晶モニターを搭載したカメラの適した撮影スタイルについて
- スナップをする人
- スマホの代わりにカメラを使いたい人
- 写真しか撮らず動画は撮らない人
軽快さを求めている人、動画は撮らず気軽にスマホより写真を美しく撮るためにカメラを買うんだ、という人はチルトがおすすめ。
まとめ : 使用目的に適した選択を
メリット・デメリットからも使う目的によって最適解が異なることが伝われば幸いです。
基本チルト液晶のカメラは機構上コンパクトにしやすいためデジカメに多く搭載されている印象です。価格も安く抑えられています。
そう考えると、Nikon Z9の4軸チルトは自撮りこそ難しいですが、光軸がずれないし撮影しやすいでいい機種だと執筆して思いました。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!