RAWとJPEGの画質面の違い。レタッチが必須となる理由

2021,08/15

RAWとJpeg。カメラをやっていれば耳にする言葉。これらは主に画像形式に大きな違いがあります。

そこで今回は、RAWとJpegが画像として何が違うのかと、RAW画像をJpeg画像に変換する方法について紹介します。

RAWとJpegの扱い方の違いがハッキリしていない人必見の内容です。

この記事で学べること
工藤瑛志
・RAWとJpegの違いの具体的な内容
・RAWをJpegに変換する方法
・RAWとJpegのどちらで撮影するべきか

RAWとJPEGの違い。レタッチの有無と変換方法

そもそもですが、RAWというのは画像のように見えますが、あれはJpegとは異なり画像になる前、未完成の画像です。

カメラなどではディスプレイ上で写真として見れますが、あれはRAWを表示するための機能があるからです。この機能が搭載されていないPCやスマホではRAWファイルは開くことができません。

ここから本題ですが、大きな違いについてですが、主にこの3つが異なります。

  • 保存されている情報量
  • レタッチの必要性の有無
  • 扱える場所

詳しい内容を見ていきましょう。

保存されている情報量

まず初めにですが、RAWはJpegに比べて格段に情報量が多く保存されています。

情報量と一言で言われても具体的にどんなものかわかりにくいと思います。一部ですが、数値比較しやすいデータをリストにしました。

RAWJpeg
画質劣化無し有り
Bit数12,14,16bit8bit
色階調4,096-65,536階調256階調

画像劣化

RAWもJPEGも何もしない状態で、比較しても違いは判らないと思います。ただ、その情報量の違いからレタッチした際に、違いが生じます

よくRAWとJPEGは料理に例えられますが、私は卵に例えたいと思います。RAWは殻付きの生卵。JPEGは目玉焼きだと考えています。生卵であれば目玉焼きでもスクランブルエッグでも、玉子焼きでも、レパートリーがいくつもあります。しかし、目玉焼きは味付けに醤油を使うか、塩コショウを使うかといった変更くらいしかできません。

つまり、後から大きく味を変えようと色々変更を加えると雑味となる=これが画質の劣化に繋がるということです。

要するに、本気でレタッチをしたい場合には、RAWでの撮影が必須となるわけです。

Bit数の違い

RAWデータはカメラによりますが、12-16bitがほとんどで階調数が膨大なので、色が滑らかに変化していきます。しかし、JPEG画像は8bit固定なので色情報がRAWに劣ります。

なので、より高画質の写真を残したいという方はRAW撮影必須となります。

Bitについての詳細はこちらの記事をご覧ください。

レタッチの必要性の有無

ホワイトバランス

RAWデータは、後からホワイトバランス(以下、WB)や露出を大きく変えることができます

同じ設定をペーストしました。RAWデータの方は色温度が2841K(2000~50000)に対し、JPEGは-21(-100~100)とWBを後から変更することはほぼ不可能です。

RAW
JPEG

露出

露出の変更に関しても、RAWの方が優れています。

RAWとJPEGの露出量は+5.00と同じ値ですが、明るさが大きく異なるのが分かると思います。

RAW
JPEG

RAWのレタッチは必須

そもそもRAWデータは、現像ソフト等でないと表示できません。それに対してJPEGはどんなデバイスでも見れます。なので、RAWはレタッチして、JPEGやPNGに変換する必要があります。

データサイズ

上記で述べてきた通り、RAWは情報量が膨大です。その分データも重いです。

EOSR6+RF24-105mm f4L IS USMのDNGファイル(AdobeのRAWファイル)で42.2MB。JPEGは16.2MBと3倍近いデータ量の違いがあります。

直撮りですみません。

RAWが扱える場所

基本的にJpegはどんなデバイスでも扱うことが可能ですが、RAWはレタッチソフトなどでしか扱えません。

最近はiPhoneでも見れるようになりましたが、とにかく対応していないと画像として表示されません。

おまけ知識

JPEGとPNG

JPEGは非可逆圧縮ですので文字通り、保存を繰り返す度、情報が間引かれていき、容量が小さくなっていき画質が劣化します。しかし、PNGは可逆圧縮なので保存することで画質が劣化していくことはありません。

まとめ

RAWのメリット

・情報量の膨大さ
・劣化しない
・白飛び黒潰れをある程度修復できる
・JPEG,PNG,TIFF等に変換可能

RAWのデメリット

・データが重い
・現像が必ず必要

RAWの場合露出や色温度のミスなどを後から直せるので便利ですね。

JPEGのメリット

・レタッチ不要
・どんなデバイスでもすぐ見れる
・容量が軽い

JPEGのデメリット

・追い込むたくさんの数値の変更をすると破綻する
・保存を繰り返すことで画質が劣化していく

もしも迷った場合は、RAW+Jpegなどの撮影方法をするのもいいかもしれません。

以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!

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