動画を始めたい・やっているけどどうすれば綺麗な映像を撮れるのか、何を見て機材を選べばいいのか、難しいですよね。
そこで今回は、僕が2年間映像制作をしてきたなかでこの機能が重要だなと思ったりした経験を基に機材の注目すべきポイントを紹介します。
動画制作、特に4K撮影したい人必見の内容です。
この記事で学べること・意外と無視していい機能・性能
高画質映像を撮るために必要な機材性能
僕なりに重要だと感じている機材の見るべき性能の3つの観点です。
ココがポイント
・ダイナミックレンジ
・ビット深度
・AF精度
え、画素数は重要じゃないの?と思われたと思いますが僕はそこまで重要な要素ではないと考えています。
確かに画素数はあった方が精細な映像にはなりますが、今のカメラはおおよそ4Kの800万画素ありますし、5000万画素など行くとデータ量も重くなりますし、youtubeなどのSNSではまだまだ主流はフルHD(2K)ですから。
画素数が800万画素以上でも4K動画が撮れないものもあるのでそこだけ注意
また、画素数よりも重要なのは色表現や光の表現の豊かさだと思っているので、これら3つを列挙しました。
ダイナミックレンジ
ダイナミックレンジが重要な理由
カメラのダイナミックレンジ(銀塩カメラ時代はラチチュード)とは、1枚の写真に写せる明るさの範囲のことです。カメラで撮影できるシーンの最も明るい部分と最も暗い部分の違いと考えてください。
カメラのダイナミックレンジは、1枚の写真に明るい部分と暗い部分の両方を写し込めるかどうかを判断するものです。単位は「ストップ」といい、ダイナミックレンジが広いほど、明るい部分と暗い部分の両方をより詳細に撮影できるため、よりバランスのとれたリアルな写真に仕上がります。
具体的に何ストップあれば良いのか
Netflix公認のカメラである2019年に登場したS1Hのダイナミックレンジは約14+ストップ。ちなみに動画でRAW撮影が可能。
ダイナミックレンジはセンサーサイズに比例し、技術進化で新しいカメラほど改良されていますが、スチールのCanonR5やR6は約12ストップ。動画機のR5Cは16ストップだとか。
画素数などと異なりメーカーが性能概要で明示せず、第三者が検証して分かる部分もあるので、逐一調べてみる必要があります。
スチール機は比較的動画専用機に比べて数値上ダイナミックレンジが狭い傾向にあります。理由としてはRAWでの撮影・レタッチが前提とされているからなのかなとか思ったりしますが詳細は不明です。
おそらく、log撮影やRAW撮影のことを述べている内容ですが、昨今の一眼カメラは写真も動画も撮れるマルチロールです。chatGPTが述べているビデオカメラは動画特化の映画を撮影するような大型なカメラを想定していると思うので、当然物理的な大きさの制約がないので、必然的に映像をより高品質にできますよね。
このように動画機であれば過去の機材でもそこそこ豊かなダイナミックレンジがありますが、動画だけやる人は少数派だと思うので、僕の映像程度なら10-11+ストップあればいいですし、もっと美麗な映像にしたければ14-16+ストップ必要だと思います。
動画は私が知る限りS1Hについて分かり易く様々な条件で扱っているSTUDIO SUMIZOON様のを勝手にお借りしました。怒られたら消します。
ビット深度
ビット(bit)が重要な理由
カメラのbitとは、カメラが画像をデジタル化する際に、1画素あたりの情報量を指します。
一般的に、カメラのビット深度が高いほど、画像に表現できる色や階調の数が多くなり、より詳細な情報を含んだ画像が得られます。一方で、ビット深度が低い場合、色や階調の数が少なくなり、情報の欠落やノイズの発生が起こる可能性があります。
具体的には、一般的なデジタルカメラのビット深度は8ビットまたは12ビットです。8ビットの場合、各画素は256階調まで表現でき、12ビットの場合は4,096階調まで表現できます。より高度な撮影を行う場合や、より詳細な画像を必要とする場合には、より高いビット深度のカメラが必要となる場合があります。
ただし、ビット深度が高いだけで必ずしも画像が良くなるわけではなく、撮影するシーンや条件に合わせた適切なビット深度が選ばれることが重要です。また、より高いビット深度のカメラはより高価であり、普段の撮影には必要ない場合もあります。また、後から編集しない、撮って出しの場合はそこまで必要ないかもしれないです。
具体的に何ビット必要?
これは非常に難しい内容で、8bitあればいいと思います。これ以上だと個人で扱うには高価なカメラになると思います。10bitあると御の字でかなりいい映像になると思います。
12bitなどになるとCanonR3で例えると動画でRAW撮影する必要が出てきたりします。
他方でNikonZ30などの比較的安価なカメラでも12bit撮影可能だったりと選択肢は年々増えているので妥協する必要もないです。
AF精度
意外と一番重要かもしれない項目。どれだけ高性能でもピントが甘いと映像は台無しです。
普通のレンズであればマニュアルで撮影することも可能ですが、シネマレンズでなければ細かにピント調節できないので結構大変です。ワンオペで撮影する場合には常に確認できるわけではないので。
私の動画は自撮り部分はすべてマニュアルフォーカスなのですが、かなり大変である程度目安となるオブジェクトにピントを合わせておいて撮るという方式です。なぜAFにしないのかというとEOSRPのフォーカス精度を信用しきれていないからです。
これが自動になるだけでどれだけ楽になることかと思いながら撮影していますが、まあしょうがない。R3くらいあると理想ですね。
意外と重要ではない機能・性能
バリアングル
カメラには画面がバリアングルとチルト、固定式がありますが何となくバリアングルを選んだりする人が多いと思います。
これらの詳細な違いについてはこちらの記事をご覧ください。
賛否ある内容かと思いますが、私は自撮りがメインでない人は必要ないと思います。例えば、風景撮りがメインであったり、被写体が別にいる人は特に。
というのもバリアングルは展開に時間がかかりますし、画面がカメラの横になるので、自然とカメラの筐体ではなく画面が体のセンターに位置するので若干撮りにくくなります。
チルト機であれば映る景色と映像が同じ軸上にあるので撮りやすいですし、展開も早いです。もし、本気で映像を撮るなら小さい画面のモニターで出力された映像よりも外部モニターで見るようになりますし、そこまでバリアングルにこだわる必要はないと感じました。
画素数
冒頭にも述べたことですが、画素数はそこまで重要ではないと思います。
4Kは800万画素なので、それ以上不必要に多くする必要がありません。当然フルサイズで画素数が少ないと受光面積が大きくなるため高感度耐性も上がるので、以下のソニーのフルサイズは1210万です。
最後に伝えたいこと : カタログスペック以外が重要なこともある
メーカーもあまりダイナミックレンジなどについて明記せず、画素数や高感度耐性など分かりやすい部分を前面に出してきますが、それよりも重要なことは後ろに隠れている場合が多いです。
動画も4K60fpsが30分撮れるとアピールしていても、排熱性能の関係で熱停止したりと複雑に要素が絡まっています。
特に今回紹介したダイナミックレンジやビット深度などのセンサー性能やAF精度などのカメラに任せられる部分がどれくらい賢いかの視点でカメラ選びをしてみるといいかもしれません。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!