カメラ系の発信者が偶に言う「上手くなるための最短ルートは高いカメラを買え!」という発言。受け手によっては、そんなことはない、という人もいるでしょう。
そこで今回は、私の経験も交えながら、なるべく客観的な目線も加えて解説していこうと思います。
反対派の方にぜひ見てもらいたい内容です。
この記事はこんな方におすすめ!・安いカメラでは、うまくならないのか気になる人
・カメラ初心者の人
「高いカメラを買うと上手くなる」理由
まず、結論から話すと、「高いカメラを買うと上手くなる」のは本当だと私も考えています。なお、ここでの上手いの定義は「ピントが合っている、適正な露出である、記録でない写真」とします。
なぜなら、初心者が上達する過程に真似るという行為があるという点と写真の写りの良さはカメラの性能に左右されやすいからです。これらについて以下詳しく述べていきます。
憧れの人と同じカメラを使って真似る
まず、上達する過程の「真似る」についてです。
簡単に初心者が上達するプロセスを順序立てて並べると、こんな感じになると思います。
- 操作を覚える
- 基礎的な構図知識を覚える
- レタッチの基本を覚える
- 1.2.3をひたすら実践する
- 基礎が身に付く
- 基礎の上に応用を重ね上げる
- 自分なりの写真スタイルを追求する
このようなステップを辿る場合、多くの人は好きな写真家(プロ・アマ関係なく)を見つけ、その人を真似ると思います。
特に最近はSNSを使えば上手な人が使っている機材を知ることもできますし、プロの人も使用機材をYouTube等で紹介している場合が多いですよね。
初期段階やそれ以降も成長には真似ることが必須になる以上、技術で足りない部分がある情報の受け手が発信者より、性能的の劣った機材を使っていたら、技術を正確に真似することすらも難しいと思いませんか。
ただ、発信者は高いカメラを用いている可能性が高いという意味なので、上記だと本質的には何のカメラでも良いということになります。
自分に何が足りないか、分かるようになる
上記は抽象的でしたが、私を例にして具体的に説明していきます。
下の画像は両方とも私が同じ場所で撮影した写真です。なお、画角は大体同じです。
簡単に構図の線を入れました。アバウトですがあしからず。
6ヶ月目の写真はどんな構図にしたいのか、また何を見せたいのかよくわかりません。三分割にしても、右線上に建物のセンターがきているわけでもなく、陽の光を入れたかったのか、少しバランスが下にいってしまっている印象を受けます。
一方こっちの写真は、建物が右線上のセンターにあり、三重塔のてっぺんから傘のように銅像と消火栓が入っています。右の紅葉も対角線上にあります。このおかげで、右側に人工物を集め、対角線の左上部には雄大な木々を副題としていれています。
構図解説をして何が言いたいかというと、カメラの性能がいいと、自分は構図などの被写体との対話に集中することができるということです。
この写真は暗い場所での撮影でしたが、高感度耐性があるEOSR6だったので、ノイズも気にせずISOを上げています。以前使っていたEOSkissX5だったらノイズを出さないことに集中していて、撮るのに一苦労していたと思います。つまり、仮に私の設定を真似て同じ場所・時間で入門機を用いて撮影しようとしたら、写真のクオリティーが一段階下がることになりますよね。
このようにカメラの設定に気を使わなくてよくなる分、真に自分に足りなかった力は、構図力や良い場所を探す発見力だったんだと、気づくことができます。
逆に悪く言えば、カメラに撮らされている感があるのかもしれません。
カメラを言い訳にできない環境を作ることが、自分の心の甘えを無くし成長することに繋がるということです。
カメラの性能が写りを左右する
RAWで撮影した場合、基本的に上位機種ほどRAWは潤沢なデータを持っていると思います。Bit数や暗部のディティールなど、すべてにおいていえることだと思います。写真というものは、どうしてもカメラを通して光を記録するものである以上、カメラやレンズの性能が良いほどより写りも当然良くなります。
先に述べたように、センサーサイズの違いによって、高感度耐性にも差が出ます。それ以外にも手振れ補正だったりと、カメラ側の進化によって、ユーザーは楽に良い写真が撮れるようになってきています。
当然そこで、差が出るとすれば構図やレタッチ技術、被写体なので、上手くなりたければカメラは最高の物を使うことによって、最低限のレベルが担保されるということになります。有名なコンテストの入賞者やプロカメラマンのカメラは、ほとんどがフルサイズ機以上ですよね。
弘法筆を択ばず
「弘報大師は筆のよしあしを問題にしない。真に一芸に長じた人は、どんな道具を使ってもりっぱな仕事をするたとえ。」と辞書にある通り、真に一芸に長じた場合、つまりは、技術を身に着けた場合"コンデジ"や"写ルンです"などを使っても作品として成立するものになると思います。
むしろ、カメラの特性を活かした写真を撮ることもできると思います。
まとめ : どっちも経験してみるのが吉
「高いカメラを買うと上手くなる理論」を展開する人は、決して「高いカメラを買わなければうまくならない」と言っているわけではなく、以上のような理由から、高いカメラを買うことが成長するための"最短"ルートであると主張しているわけです。
私自身、R6というカメラを買ってから、コンテスト入賞する数も上がりましたし、何より、癖のあるカメラも触ってみたくなったり、コンデジ特有の良さ、スマホカメラ特有の良さも理解できるようになってきているので、世界が広がりました。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!