フルサイズはAPS-Cやフォーサーズよりもボケやすい、つまりセンサーサイズが大きいほどボケやすいということを聞いたことがあると思います。しかしこれは合っているとも嘘であるとも言えます。
そこで今回はカメラの仕組みからこの理解についての正しい点と間違っている点についてお話します。
ボケについて構造から理解したい人必見の内容です。
この記事はこんな方におすすめ!・フルサイズとAPS-Cセンサーの違いを知りたい人
「フルサイズはAPS-Cやフォーサーズよりボケやすい」が嘘である理由と正しい理由
ひとつの理由としてこれが挙げらます。
写真の見え方としては、センサーサイズが大きいほどボケやすいのは正しいです。しかし、カメラやレンズの構造からすると間違っています。
ここから丁寧に分解して解説します。
写真はなぜ四角なのか
イメージサークルとセンサーの形
皆様は、なぜレンズが丸いのに写真は四角いのかを考えたことはありますか?これはセンサーの形と密接に関わっています。
この写真のように図解すると分かりやすいですね。答えはシンプルでセンサーが四角だからです。
上の画像のように、レンズから入る光は円形ですがイメージセンサーが四角であるため、そのように切り取られます。
センサーサイズ
これは有名な話ですが、センサーサイズが大きいほど画角が広くなります。35mm換算などと関係する話ですが、センサーサイズが大きくなるほど切り取れる範囲が広くなり、センサーサイズが小さいほど切り取れる範囲が狭くなります。
ようやく本題です。
「ボケやすい」の理由
「正しい」理由
最初に写真の見え方としては正しいと言いました。まずボケを決定する要素を知る必要があります。難しいのでそうなんだくらいで大丈夫です。
- カメラから被写体までの距離
- 被写体から背景までの距離
- 焦点距離
- F値
- 許容錯乱円径
今回の話に直接関係するのは焦点距離です。焦点距離が長い(大きい)ほどボケやすくなります。つまり、フルサイズ機とAPS-C機の画角を同じにするためには、フルサイズ機の焦点距離を長くするかAPS-C機の焦点距離を短くする必要があります。
そこで、フルサイズを基準にするとセンサーサイズが小さいほど焦点距離が短く(小さく)する必要かあるため、フルサイズよりもボケにくく見えるのです。
「噓である」理由
先ほどのボケの5つの要素を揃える、つまり、正しい理由である画角を同じにするには焦点距離を変える必要があるという問題を解決するとボケやすさは変わらなくなります。
使用したレンズ:EF70-300mm F4-5.6 IS II USM
すべての条件を揃えて同じ画角になるようにトリミングすると分かりやすいと思います。
露出が若干違ったりしていますが、ボケに関してはほとんど変わらないと思います。
少しフルサイズの方がボケているように見えますが、それは画素数やセンサーサイズの違いによる許容錯乱円径が影響している可能性があります。
まとめ
小難しい話でしたが、画角で話すよりも焦点距離基準で話をすることの方が多いと思うのでフルサイズの方がボケやすいと理解しても問題はないと思います。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!