この記事のレベル
用語の難しさ
必要なスキル
内容の重要度
風景写真などを撮影する方は写真を幻想的なものに仕上げたいと思う時が一度はあると思います。
そこで、今回はPhotoShopを用いた現像で幻想的な写真に仕上げることのできるオートン効果のやり方についてお話します。
この記事はこんな方におすすめ!
・幻想的な写真にしたい人
オートン効果とは
柔らかな感じを加えつつも、輪郭はハッキリとした現像方法です。
この手法が考案されたのはフィルム時代で、ピントの合った写真とボケた写真を、異なる露出で撮影して合成する物だったので手間のかかる作業だったようですが、Photoshop(以下、Ps)を使うと写真一枚で簡単にできます。
実践
最初に手順を全て紹介しておきます。
step
1レイヤー複製
step
2スクリーン
step
3乗算
step
4ガウス
step
5仕上げ
以下詳しく見ていきましょう!
複製
早速やっていきましょう。まずはRAWの場合は、現像したのPsで開きます。
次に、開いたレイヤーを右クリックして、レイヤーを複製します。

スクリーン
画像のように、デフォルトでは「通常」とあるところを、スクリーンを選択します。
そうすると全体の露出が上がり明るくなります。

乗算
レイヤーを更に複製します。そして、複製したレイヤーを今度は 乗算 を選択します。
今度は全体の露出が下がります。こうすると、全体のコントラストが上がります。

ガウス
Ps上部のメニューにあるフィルターから ぼかし→ぼかし(ガウス)を選択します。

そうすると、画像のような選択画面が出てきます。ここでの「半径」とは、ぼかし具合のことを指しているので、お好みで選択してください。(大体、10~20pixelの範囲でいいと思います。)

調節
さすがに、このままだと暗部が暗く潰れていて、全体的にぼかしがかかったような印象を受けるので、さらに自然な感じの幻想的な雰囲気にするため細部を調節していきます。

赤枠で囲った不透明度のパラメータを動かすことで、乗算とガウスの適応量を調節します。

ポイント
いい感じになりました。しかし、まだコントラストが強く霧の部分も白く飛んでいるのでCamera RAWフィルターで調節します。

ちなみに、Camera RAWフィルターを「背景のコピー2」で開くと、ボヤとした画像が開きますが、これは不透明度の影響です。
不透明度によってフィルターの影響が及ぶ範囲が変わってきます。


オートン効果を用いると、全体のコントラストが高くなり、色が変化したりするので、ガウスをかけた後は上手に調節する必要があります。
完成しました。いかがでしょうか。

全体的に水彩画のような独特なにじみのような雰囲気が生じ、幻想的な雰囲気になったと思います。
作例
上述した通りのやり方で他の写真にも、オートン効果を用いたレタッチを行いました。



まとめ
この効果を使うだけで、一気に幻想的・神秘的な一枚に仕上がると思います。特に自然写真との相性は抜群ですのでひとつの写真表現の技法として、ぜひ使ってみてください。
以上で終わりです。最後まで読んで頂きありがとうございました!